ネイティブ
大阪府立図書館2階AVコーナーの書庫に、
「日本の民族音楽」というCDが置いています。
そのなかに南島諸島(沖縄・薩南諸島)編(3枚シリーズ)があります。
現地の人の歌を直接録音した感じで、どこの誰が歌っているかわからない、
唄の多くが声と太鼓のみ、とひたすら素朴です。
歌声も三線も洗練されたものではありませんが、
原曲が持つ深みが感じられます。
初めてこのCDを耳にしたときは、まだ唄三線を始めたばかりで、
あまりのマニアックさにチンプンカンプンでした。
最近になって、ようやく何曲か「お、これは」と思えるようになりました。
CD①薩南諸島。硫黄島、種子島、悪石島、黒島の唄が収録されています。
「疱瘡踊」。天然痘予防を祈願する踊りです。いきなりディープな世界
へ誘ってくれます。
奄美諸島。大島と加計呂麻島の唄。ただでさえ馴染みのない奄美の唄
ですが、「朝花」「行きゅんにゃ加那」という有名どころはなく、知っているの
は「おぼくれ」「六調」くらいです。「やされのといとい」「スコテングワ」・・・、
わかりません。
CD②沖縄諸島。本島、伊江島の唄収録。これは大丈夫と思いきや「稲の穂祭の
ときのおもろ」「那覇の百姓木遣」など、知らない唄がずらりと並びます。
「野遊び(毛遊び)」に、ナークニー、アチャメー小など、さりげなく有名な
唄が入っています。
宮古島。「とうがに兄」。メロディはクイチャーですが、なんとも素朴です。
CD③八重山諸島。波照間島、鳩間島、西表島、竹富島、石垣島の唄収録。
「あんがま」。唄に合わせてあんがまが「ィイ!」と囃子をしています。シ
ョッカーの声にそっくりです(って何に気が付いてるんだか)。子守唄
「昼」。大和っぽいマイナー調のメロディです。知人に確認したところ、
こういう曲名だそうです。ちなみに「夜」は「月ぬかいしゃ」です。「登野
城の東座」。こう書かれるとピンときませんが「あがろーざ」です。「夜
雨節」「古見浦節」「与那覇節」「とばらま節」「猫ユンタ」など知ってい
る唄が多いので、シリーズ中、一番聴きやすく、「むりか星ユンタ」も
収録されています。
島のネイティブな唄を聴いてみたいという方、おすすめです。
ただ理解することは、至難の技ですが。
何年後かに、さらなる発見できればな~と思いますが、はてさて・・・。
by chunse
| 2005-02-25 02:35
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