講談社+α文庫の「決定版日本の民話事典」という本を読んでいると、
石垣島と多良間島に伝わるという「ニヌファ星の由来」という言い伝えが紹介されていました。
ムリカ星(ムリブシ)の話は知っていましたが、
ニヌファ星にもそういう物語があったんだと、
初めて知りました。
民話の題材になるものには生活に密着したものが多いのですが、
星をみて夜の海を航海したり、農業の時期を知ったという
当時の人々の生活がうかがえます。
石垣島と多良間島に伝わるという「ニヌファ星の由来」という言い伝えが紹介されていました。
昔、母親と兄弟二人が暮らしていた。
弟は働き者だが兄は怠け者だった。
ある日、母親が病気で死んでしまったが、
見知らぬ老婆があらわれ川を舟で渡ることができたら
母親に会うことができると兄弟に伝えた。
兄弟はそれぞれ舟に乗りこんだが、
いっこうに向こう岸につくことは出来ない。
兄はあきらめて漕ぐのをやめてしまった。
弟は最後まで懸命に舟を漕いだが、
流され滝に落ちそうになったそのときあの老婆があらわれた。
老婆は弟を抱いて天にのぼりこう告げた。
「あなたは立派な人だから人々の目当てになりなさい」
こうして弟はニヌファ星(北極星)になった。
一方の兄は天の川をさまよう星になった。
ムリカ星(ムリブシ)の話は知っていましたが、
ニヌファ星にもそういう物語があったんだと、
初めて知りました。
民話の題材になるものには生活に密着したものが多いのですが、
星をみて夜の海を航海したり、農業の時期を知ったという
当時の人々の生活がうかがえます。
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by chunse
| 2007-07-03 09:12
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